キャリア教育

大学生のためのグローバル起業家育成プログラム~第4期のプログラムを終えて~

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起業家マインドやグローバルビジネスの知識、コミュニケーション力の育成を目的に弊社が主催する、「メルサゼミUSアントレプレナーシッププログラム」。2013年の開始から今回で4回目の開催となったプログラムも、東京での事前研修、ロサンゼルス、シリコンバレーでのミッションをこなし、無事すべての工程を終了しました。

本プログラムは、弊社米国法人MELSA INTERNATIONAL LLCがこれまで、文部科学省グローバル人材育成推進事業採択大学を含む日本国内の大学や高校、企業に対し米西海岸(ロサンゼルス/シリコンバレー)で提供してきた研修プログラムの実績や現地でのネットワークを生かし、海外就労や起業といったキャリアを視野に入れる大学生を対象に年に2回開催するもので、様々な大学、学部や専攻、学年の学生が集結し、プロジェクトを進行していきます。

今回は、東京大学、早稲田大学、慶応義塾大学、青山学院大学、上智大学、中央大学から8名のメンバーが集まり、6月から東京で事前研修を行いました。

 

2015.6.19 事前研修 スタート

事前研修では主に、現地の大学や起業家コミュニティに向けてプレゼンテーションを行うテーマに関するリサーチや、英語でのプレゼンテーションの練習を約2ヶ月かけて行いました。今回は、テーマである「資格ビジネスの米国進出に関するマーケット調査」に伴い、デジタルマーケティングの資格認定機関「ウェブ解析士協会」様とタイアップさせていただき、日本で普及が広がっているウェブマーケティングの資格制度の米国展開の可能性の調査を行うというミッションを与えていただき、それぞれの視点で仮説・検証を繰り返してきました。また、実際に6名の学生が事前研修の期間に初級ウェブ解析士の試験に合格し、資格の有用性をより深く理解したうえで、この資格の米国での可能性を検証しました。日米の働き方の違いから資格に対する評価や認識の違いなどさまざまな視点で調査やディスカッションを行い準備をすすめてきました。そして、約2ヶ月の事前研修を終え、いよいよ渡米です!

 

2015.8.31 渡米

全員無事ロサンゼルスに到着。現地では、弊社米国法人提携のコワーキングスペースを拠点に研修を行います。ここには、現地の起業家やスモールビジネスオーナー、東海岸や他州の企業の駐在員など多彩な人たちが在籍しており、旅行ではなかなか出会うことのない起業家やビジネスパーソンとの出会いの機会もあります。

 

2015.9.1 アメリカでの活動開始

2015/9/3 Santa Ana Collegeとの合同セッション

2日目、時差ボケも残る中、早速メインイベントでもある現地の大学との合同セッションのため、オレンジ郡にあるSanta Ana Collegeを訪れました。メルサゼミとは深い友好関係をいただいているこの大学では、アジア、ヨーロッパ、南米など各国から留学している学生たちが、年に2回のメルサゼミとのセッションを楽しみにしてくれています。ピザを囲んでWelcomeパーティー。仲良く打ち解けてきたところで、いざ本番のプレゼンテーション&カンファレンスが始まります。

 

2ヶ月間取り組んできたテーマの発表、もちろん英語で行います。そして発表のあとは最も緊張が走る質疑応答です。興味深いトピックだったようで、様々な質問が飛び交い、メンバーたちも立派に乗り切ることができました。発表と質疑応答の後は、グループごとにディスカッションや意見交換を行い、新たな気付きや知見を得ることができました。後半はMBA教授の特別講義を開催いただき、アメリカのビジネスに関するトピックで貴重な情報をいただきました。

 

2015/9/4 ロサンゼルス企業訪問

メイン行事である現地大学とのセッションが大成功に終わり、ホッとする間もなく毎日の予定をこなしていきます。翌日は企業訪問。ロサンゼルスの南パサデナ市にあるWeb解析ツールの開発を行うAuriq Systemsさんを訪問させていただきました。代表の幾留氏にお時間をいただき、ご自身の起業経験やソフトウェア開発の分野における日本の課題、アメリカのマーケットで事業を行う中で直面している状況など、貴重なお話をいただきました。

2015/9/4 フィールドリサーチ

また、大学や企業を訪問したり、街頭アンケートなど、研修テーマに関するリサーチも引き続き進めます。あるチームは、ロサンゼルスで語学学校他複数のビジネスを運営する企業を訪問し、資格ビジネスやウェブマーケティングに関する取り組みの現状と課題を伺い、有益な情報収集ができました。

あっという間に週末になり、つかの間のOFF。翌週からのシリコンバレーでの活動のため、週末を利用してサンフランシスコに移動します。

2015/9/5-6 OFFの様子

土日をはさみ、いよいよシリコンバレーでの活動に移ります。シリコンバレーでは様々な企業や大学関係者のご協力をいただき、有意義な研修が実現しました。

   

2015/9/7 Global Brain様訪問

祝日にも関わらず、時間を作って講演・面談の機会を下さったGlobal Brainのベンチャーキャピタリスト Zak Murase氏。シリコンバレーで今起こっていること、人工知能や仮想通貨など、現地の最先端の情報を持つ投資家の目線からお話をいただきました。日々、厳しい視点でシリコンバレーのヒト・モノ・カネの情報を的確に捉えている投資家のリアルなお話は、どんなビジネス書や情報誌よりも有益で説得力のあるものでした。

2015/9/7 シリコンバレー有名スポット周遊

シリコンバレーといえば外せないスポットの数々。訪問の合間に有名スポット巡りをしました。

 

2015/9/8 Chatwork社

翌日、いつも快くメルサゼミの学生を受け入れてくださるChatwork社の山本代表を訪問。PayPalやグーグルも初期に利用していたと言われるシリコンバレー起業家の聖地でもあるインキュベーションオフィス「Plug and Play」に立ち入らせていただき、特設スペースにで、社員や研修生の方とのディスカッションをさせていただきました。終了後は社員の皆さんやPlug And Playに入居する他の企業の方も交えてランチ交流会。メルサゼミプログラムへの参加をきっかけにシリコンバレーに興味を持ち、シリコンバレーの大学に留学中の2期生も、授業の合間に駆け付けてくれました。シリコンバレーで働く人達の現状や大学での様子など、当事者のリアルな話を聞くことができました。

 

2015/9/8 YMVSV社

続いて、ヤマハ発動機の新規事業開発事業部としてシリコンバレーに設立されたYamaha Motor Venture&Laboratory Silicon Valley 社C.E.O.でエンジニアの西城氏を訪問。人工知能による自立運転ロボットMOTOBOTの開発の過程や、西城氏が取り組まれている大企業内新規事業開発の実情、そして日本とアメリカのベンチャーの違いなど、最前線のお話をいただき、起業家としてのマインド、新規事業開発に関する考え方・取り組み方を学ばせていただきました。西城氏はソフトウェアエンジニアの出身で、ヤマハ発動機のグローバル展開を担い単身でシリコンバレーに渡り、2年足らずで大きく規模を拡大し、注目を集めています。大企業のしがらみを抜け、新たな価値を創造するためにどのような考え方でどんな取り組みをしているのか?簡単に真似できることではありませんが、研修生たちにとっても非常に大きな刺激になりました。

 

2015/9/8 スタンフォード大学

続いて、シリコンバレーの原点そして、シリコンバレーエコシステムの中心的役割を果たす大学、スタンフォード大学へ。若くして亡くなった一人息子を想い、リーランド・スタンフォード氏が1891年に設立、当時メジャーではなかった工学中心の実用的教育や起業家を支援する教育を推進し、その後IT革命の中心的な役割を担い、ヒューレット・パッカードの2人の創設者、スティーブ・ジョブズ、Google C.E.O.のラリー・ペイジなど、数々の世界的起業家を輩出した名門大学です。

  

スタンフォード大学では、メルサゼミにも多大なご協力を頂いている電子工学部の教授や研究員、学生の皆さんに迎え入れていただき、この日は日本人の研究員田邊氏が普段立ち入ることができない研究室を案内してくださいました。また、田邊さんのチームでは、教授も含めたメンバーがベンチャーを立ち上げ、ビジネスも並行しています。学生と教授が起業するというスタイルはまさにシリコンバレーの特徴であり、ヒューレット・パッカード社も、かつて創業者の二人に教授が資金提供を行ったことで事業が始まったと言われています。また、この事実がシリコンバレーにおけるエンジェル投資の始まりだったとも言われています。日本ではあまり考えられませんね。MITやハーバードなどとならび、アメリカの名門大学として知られるスタンフォード大学ですが、その歴史や成り立ち、特徴を知れば知る程、世界中のどこにも例を見ない特殊かつ魅力的な大学であることがわかります。ここへ来ると不思議と清々しくかつ、パワーがみなぎってきます。

3日間のシリコンバレー訪問で、現地に行かないと体感することができない、フロンティアスピリッツを沸き立たせるシリコンバレーの独特な雰囲気の中で過ごした経験や、起業家、投資家、大企業内起業家(イントラプレナー)、大学研究員など、様々な分野でシリコンバレーの最前線で活躍される先輩方のリアルな話やマインドに触れたことで、一気に視野を広げ、今後の目標設定や考え方の幅を広げる機会になりました。

プレゼンテーション

さて、研修もいよいよ終盤。シリコンバレーでの濃い研修を終了し、一行はロサンゼルスに戻ります。最終日は、現在西海岸の新たな起業家コミュニティとして盛り上がるロサンゼルスダウンタウンの起業家や地元の企業の方を招き、イベントスペースを借り切り、研修の集大成となるファイナルプレゼンテーションを行いました。研修開始前は、英語のプレゼンスキルも、資格ビジネスに関する知識も、海外の人とのコミュニケーションスキルもなかったメンバーですが、ファイナルプレゼンテーションでの堂々とした姿は印象的でした。

  

プレゼンテーションを見に来た観客の一人(社会人)が、メンバーに対してこんな称賛のメッセージをくれました。

「もし僕達が君たちの国日本で、君たちの国の言葉日本語でこれだけのプレゼンテーションをしろと言われたら、とてもじゃないけどできない。でも君たちは僕らの国の言葉で立派なプレゼンテーションをこなした。これは本当にすごいことだよ。心から尊敬する!」

ありふれた日常の中にいる平凡な大学生が、この3ヶ月の研修を通してここまで成長できたのは、他でもなく彼ら自身にそのポテンシャルがあり、ちょっとしたきっかけで短期間でここまで成長することができます。そしてそこで得た自信が生涯のキャリアの武器となり、背中を押し続けてくれることを願って止みません。

あっと言う間の3ヶ月、研修開始当初、なかなか発言をすることができなかったメンバーも、様々な活動を通して積極性やコミュニケーション力そして、未知の環境でのミッションをこなすことで度胸が付き、研修終了後には別人のように変わりました。日本国内の限られた環境にいると、どうしても思考と行動範囲が限定されてしまいがちですが、4期生の皆さんには、今回の研修で身につけたスキルやマインドを活かし、海外に挑戦していっていただきたいと思います。また、本プログラムは現地の多くの方のご協力をいただき、回を増すごとに充実した研修プログラムの運営体制ができました。ご協力いただいております皆様方には、この場をお借りして改めて御礼申し上げます。

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USアントレプレナーシッププログラム詳細

メルサゼミ海外研修プログラムは、大学生/若手人材のグローバルキャリア支援事業を行う㈱メルサ・インターナショナル・ジャパン(米国法人MELSA INTERNATIONAL LLC)が提供する、アメリカ西海岸ロサンゼルス・サンフランシスコ/シリコンバレーを拠点に展開する、海外ビジネスキャリア育成/起業家育成プログラムです。様々な大学から集まる志高き学生に、留学や旅行では経験できない国際ビジネスやグローバルキャリア、シリコンバレーの最先端テクノロジーや世界最高峰のビジネスを学ぶ実践型海外研修プログラムで、ハイレベルな学びの機会を提供しています。もしあなたが、「特に強みがなく、就活や長期的なキャリアに不安を抱えている」「海外経験の重要性はわかるが、周りと同じ留学にあまり魅力を感じない」「大学の学びだけで社会に出ることに不安を感じている」といった不安を持っていたら、このプログラムがあなたに大きな価値を与えるかもしれません。

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